医療過誤事件の進め方

はな法律事務所の医療過誤の進め方のこだわり

「体の中で何が起こったのか」を明確にして・・・・

医療過誤イメージ

医療過誤が難しいとされるのは、「体の中で何が起こったのか」を明らかにするのが難しいからだと思います。体の中で何が起こっているかを明らかにすることを「病態生理を解明する」といいます。人が死亡すると死亡診断書に死因が記載されますが、この死因がけっこういい加減で、必ずしも死への病態を正しく表しているとは限りません。残された資料から、患者が悪しき結果に至った病態生理を明確にしなければ、医師の過失を観念することができません。主治医が診察や検査をほとんど行わずカルテもまともに記載しないような、あまりにも杜撰な医療を行って、その結果患者が亡くなった場合、死への病態を明らかにすることができないので、医師の責任を追及することは非常に難しくなります。

交通事故と比べてみましょう。交通事故ではほとんどの場合、事故の起こり方(事故の態様といいます)を明らかにすることができ、当事者間の過失の割合も明確にすることができます。しかし交通事故のなかでも、事故の起こり方が明らかでないものがごくまれにあります。たとえば、真夜中に、片側1車線の道路でセンターライン付近において自動車同士が正面衝突し、運転手が死亡してしまったような例です。このような例では残された証拠、たとえば自動車の壊れ方やタイヤ痕等から事故の態様を明らかにする必要があります(警察により、いい加減な事故処理がなされ、亡くなった方が不利になる例をよくTVで目にすることもあります)。

医療過誤では、自動車の壊れ方やタイヤ痕がカルテの血液検査の結果やCT画像に相当します。大切なご家族が医療行為で死亡したり障害を負った場合、まずカルテを確保することが重要です。さらに、AI(Autopsy imaging *1)または病理解剖(司法解剖も同様)が施行されていると、より死に至る病態生理を確定しやすくなります。
悪しき結果に至る病態生理を明らかにして初めて、医師の過失を指摘していくことができることがわかっていただけたと思います。もちろん病態生理を明らかにするには、高いレベルの医療知識が必要となり有能な協力医がいることが不可欠です。この点に関しても当事務所は極めて高いレベルにあると自負しています。

*1 Autopsy imaging(死亡時画像診断)
死後にCTやMRI検査を行い、撮影された死後画像のことを言う。死体にどのような病変が生じているかを診断し、死亡時の病態の把握をする。